第12章 上がダメだと、下もダメになる

「へえ……事業部長、ね。なるほど、読めてきたぜ。どうりで鈴木静子が彼女に突っかかってるわけだ。彼女が来なきゃ、あの席は鈴木静子のものだったってわけか」

「PAだって? じゃあ俺の愛しのソフィアちゃんは? 辞めたのか?」

「まさか! ソフィアは支社の部長として栄転だよ!」

 そんな野次馬たちのひそひそ話は、当然ながら鈴木静子と福田祐衣の耳にも届いていた。

 怒りで目を吊り上げる鈴木静子に対し、福田祐衣は一切気圧される様子もなく、むしろ不気味なほど冷静だった。

「ああ、鈴木部長でしたか。少しは自重されたらどうです?」

「私は他人に行動を制限されるのが好きではありませんので。手への平手...

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